高齢化社会が加速度的に進む中で、介護サービスに対するニーズの高まりと共に、介護の担い手である介護職の人材確保と質の向上は国内における重要な課題となっています。しかし、今後も出生率の大幅な上昇が見込めない以上、介護職の主力となるべき若年層の人口全体も減少していくことが予想されています。介護職の人材確保と定着の促進を図るためには、介護職が将来の展望をもって働ける環境の整備が不可欠です。

 そこで、介護職がキャリアアップしていくためのしくみを国をあげて提示していくキャリアパスが注目されています。優秀な人材をより多く育成していくための制度改革なども活発に行われています。

 キャリアパスでは、今まで介護職の経験がなかった人でも安心して入職することができること、介護職となったあともさらに専門性を深めてキャリアアップできることの全体像が具体的に示されています。介護職員初任者研修からスタートする道のりは、実務者研修、介護福祉士と順に進んでいき、最終地点は認定介護福祉士というケースが一般的です。

 さらに、企業や事業所ごとに評価基準がバラバラにならないための共通のものさし作りとして、介護職がキャリアと能力で正当に評価されるキャリア段位制度の活用も推進しています。キャリア段位制度では、第三者機関が実践的なスキルを重点的に評価して段位認定をすることによって、介護のプロフェッショナルを目指すための介護職のやりがいや、キャリアアップへのモチベーションにつながることが期待されています。